はしかがニュージーランドで流行っています。
いろいろな情報が流れて、どうすればいいのかよくわからない人いると思うので、Northlandの情報を中心にお知らせします。
随時アップデートする予定です。
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Northlandのはしか流行状況(8/7/19現在)
Northlandのはしかの症例が20症例になりました。
以下のpublic health の情報を参照してください。
まだMMRワクチンを受けたことがない人は、接種可能なので、かかりつけのGPクリニックに問い合わせてくださいね。
オークランド在住の方へ。現在MMRの1回目を生後12ヶ月で接種が勧められています。
現時点ではオークランド地方では、MMRの1回目を15ヶ月でなく、12ヶ月で受けるように勧められています。
Northlandでは、現時点では15ヶ月のMMRを早めに接種することは、特別の理由がないとできません。これはNZ全体でのMMRの在庫が少ないためです(どうも世界中で在庫が少ないようですね)。
今年のNZ全体でのはしかの症例は140症例となりました。
流行状況(25/6/19現在)
Northlandのはしかの感染者数は10名。あと6名が検査結果待ちとのことです。
私のGPクリニックのMMRの在庫はあまりない状況です。
ただ、public nurseが中学校に定期の予防接種をしに行く時に、両親の同意があればMMRも接種しているので、「うちの子供はMMRを受けていない」という方は、是非考慮してくださいね。
流行状況(13/6/19 現在)
Northlandのはしかの感染者は9名になりました。この3名の新しい感染者は、年齢は25−58歳、すべてはしかの予防接種を受けたことがない人だったそうです。
このうち1名はICUに入りました。
MMRのワクチンは世界的に品薄になっています。
そのため、まだ一度もMMRを受けたことがない50歳以下の人たちが、最優先でMMRを1回受けるようになっています。
先週末に救急のクリニックの外来当番をした時、発疹を主訴に小学生が来院。
妹も一緒に来たのですが、子供達は一切予防接種を受けていないとのこと。
お母さんに、その理由を訊いたら「うちの家族は、感染しないから」!?!?!
「集団免疫」のことなど、いろいろ説明しました。あの後、MMR受けに行ったかなあ?
流行状態(5/6/19現在)
Northland
30/5/19にはしかと診断された、Onerahi在住でTikipungaのチャイルドケアに行っている2歳児は、最終的にはしかではなく、他のウイルスであると診断されました。
ただ、数週間前にはしかと診断された19歳女性の兄弟(性別は私は知りませんが)2人が、はしかと診断され、Northlandでは5例目と6例目になりました。
この兄弟も予防接種を受けていなかったので、予想できる展開とは言えます。
その他の地域
ESRが毎週レポートを出しているので、その最新版(1/6/19現在)のグラフや表を載せておきます。
カンタベリー地域のはしかの流行は収まりつつあります。
現在最も流行っているのはWaitemata (ノースショアエリア)です。
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はしかのワクチン
ニュージーランドの予防接種スケジュールでは、現在はしかのワクチンは15ヶ月と4歳時に行われています。
1回の接種後には90-95%の人は十分な免疫力を得て、2回接種後にはほぼ100%の人が十分な免疫力を得るとされています。
ただ、以下のESRからのレポートをみると、2回のMMRを接種した人の中にも感染者がいるので、100%長続きする免疫力が得られるわけではありません。免疫はあるはずだけれど、もしかしたらはしかかな、と思ったらとにかくGPクリニックに電話して相談しましょう。
はしかのワクチンは通常風疹とおたふくのワクチンが一緒になったMMRとして接種されます。
このワクチンはLiveワクチンなので、妊娠中の人やなんらかの治療や病気で免疫力の弱っている人は受けることができません。
自分が受けられるかどうかわからない人は、かかりつけのGPなどに確認してくださいね。
いろいろな理由でMMRを受けたくても受けられない人がいるからこそ、受けられる人は自分も、周りの人をもはしかから守るために、予防接種を受けて欲しいです。
はしかのワクチンを今すぐ受けるべき人はどういう人?
はしかの流行を防ぐのは予防接種が重要な役目を果たしています。
はしかは感染性が高く、感染した人と同じ部屋にいるだけで、免疫がなければ感染する可能性が高いです。
1人の人がだいたい25人程度の人を感染させる、ということです。
以下の人は、はしかの免疫がないと考えられます。
そのため、これらに当てはまる人は、その地域の流行状態によって、予防接種が勧められています。
(これは、その地域の症例の数などで少し変わることがるので、まずGPのクリニックに電話で確認してください。基本的には一度もMMRを受けていない子供が最優先。1969年以前に生まれた人は自然の免疫がついているはずなので、普通は予防接種を考慮しません。)
- 1969年以降生まれの人でMMRを2回受けていない人、または血液検査で免疫があるという証拠がない人(この血液検査に関する政府の書き方は、あまり明確ではありません。もしも免疫力があるかどうか心配で、テストをしたい時は、特別の理由がない限り自費で行うことになるので、そんなに多くの人が血液検査をするとは思われません。)
- 1969から1981年の間に生まれて10ヶ月から 15ヶ月の間に1回はしかの予防接種を受けただけの人
- 4歳以上の子供で、一度もMMRを受けていない人
- 15ヶ月以下の子供で、まだ最初のMMRを受けていない人
- はしかが流行っている外国へ旅行を予定している人で、今まで予防接種を受けていない人、または受けたかどうかわからない人で1969年以降に生まれた人(旅行の2週間以上前にはしかの予防接種をすることが勧められます。)
小さな子供に関しては、通常は15ヶ月で接種するMMRを12ヶ月で接種することができます。
はしか流行地域に旅行するなどの理由であれば、6ヶ月から接種できるのですが、1回目を12ヶ月より前に接種した場合は、12ヶ月以降に2回の接種(合計3回のMMR)が必要となります。
この辺りも、その地域での感染者の数、クリニックが手に入れられるワクチンの数などで、どのグループの人たちを優先して予防接種するか、できるか、が決まってきます。
とにかく一度も
- MMRを受けたことがない人、または受けたことがあるかどうかわからない人
2. はしかの流行っている国へ旅行の予定の人
はGPクリニックに連絡して相談ください。
1回しかMMRを受けていない人も、ワクチンに余裕があれば接種するべきなので、GPクリニックに確認してください。
はしかについて
最後にはしかについておさらいしておきます。
もしも自分の症状が、はしかでないかと思ったら、まずGPのクリニックに電話してください。直接出かけて待合室に入ったりすると、待合室にいる他の人が感染する可能性があります。
またスーパーマーケットに買い物に出かけたり、仕事に行ったりするのは慎み、自宅で療養してください。
- 風邪の症状(鼻水、咳、結膜炎)で始まり、2−3日後に発疹と発熱始まる
- 発疹は4−7日続く
- 発疹が出た最初の2日ぐらいが最も状態が悪くなる
- 普通は風邪症状から7−10日で回復する
- 発疹が始まる4−5日前から発疹が始まった後4日ほどは、他の人への感染性がある。
Northlandでの4例目がICUに入ったように、重篤な状態になる可能性もあります。
最後に
なんらかの理由で、MMRを子供に受けさせる機会を与えなかった親御さん達は、心配な点をGPと話し合い、子供にワクチンを受けさせることを是非考慮して下さい。
親がワクチンに反対で受けていなかった16歳以上の人達へ。
16歳になれば自分の判断でワクチンを受けるかどうか決められます。
スクールドクターやナースに相談して、是非MMRを受けてください。