寒くなってきました。
私の働くクリニックでは、感冒やインフルエンザの症状の患者さんが急速に増えています。大半の人はRAT陰性です。だからと言って新型コロナの可能性がない訳ではありませんが、他のウイルス感染が流行しているのは間違いないです。
2020年と2021年は、感冒症状の人は非常に少なかったです。その時は新型コロナのために色々とウイルス感染を防ぐルールがあり、皆さんがそのルールを守ってくださったので、そのお陰だと思います。
新型コロナの動向
worldometersのグラフを以下に示します。
新型コロナの毎日の報告症例者数。少しずつ減ってきています。
死亡者数は横ばいです。(死亡者は、新型コロナによって亡くなった人の数と全く同じでは無いので、ICU入室者の数のグラフとかあると良いのですが。)
その他のウイルス感染(感冒・インフルエンザ)の動向
ニュージーランドでは、GPクリニックでインフルエンザのテストをすることはほとんどないので(少なくとも私の地域のクリニックでは)、正確なインフルエンザの症例数を測ることはできません。
病院の救急外来に行き、症状が中等度以上の人はそこで検査を受けることが多いようで、救急外来からのレポートでは、よく『インフルエンザ』という診断名を見ます。
以下はオーストラリアのレポートですが、ニュージーランドはオーストラリアのパターンをフォローすることが多いので、参考に載せておきます。(The conversationのページより引用)
(昨年までのニュージーランドのインフルエンザの動向は、オーストラリアのものとかなり類似していることを確認しています。)
インフルエンザワクチン
ニュージーランドの公立医療を受けられるビザを所有している方は、65歳以上であれば無料でインフルエンザワクチンが受けられます。
他に呼吸器疾患や心疾患などの病歴がある方は、無料ワクチンの対象になる可能性があるので、かかりつかのGPにお問い合わせください。
新型コロナにかかった人でも、1週間の隔離後、通常の健康状態であればインフルエンザのワクチンを受けられます。
インフルエンザのワクチンと、新型コロナのワクチンは同時に接種可能なので、かかりつけのGPやワクチン接種をしている薬局でお問い合わせくださいね。
ウイルス感染を防ぐ方法
ウイルス感染を防ぐ方法は、新型コロナを防ぐ方法と同じです。
- 3密(密閉、密集、密接)を避ける。
- 手を洗う。マスクをする。
- 調子が悪い時は、人との接触を避ける。
最近は、マスクをしている人の数もかなり減ったように思います。高校生の娘によると、学校では彼女と少数の学生しかマスクをしていなようです。
また感冒症状でも、仕事に行ったり、学校に行ったりする人が増えました。有給の病欠休暇がない人は、収入の事を考えるとなかなか休めないと思います。また職場で病欠の人が多くて、自分は軽度の症状なので休めない、と言う人も多いです。
また子供が頻繁に風邪をひいていても、親が仕事に行くので、子供も学校へ送られるということは多いですね。
病気の人が休めるような、社会のサポートシステムがなければ、なかなか難しいことは十分理解できます。
結局そんな中で、自分の出来る範囲で自分を守ること、また他人に感染を移さないこと、をやっていくしかないです。
終わりに
ニュージーランドの増悪するGP不足、先の見えない医療システムの危機の中で、この冬を迎えます。
私達GPは、近い将来行われるNZの医療システムの『改革』を不安な気持ちで待っています。
そんな中で、私が特にニュージーランド滞在中の日本人の方々のためにプライベートオンライン診療を始めました。
ご興味のある方は、サイトをご覧ください。
では、皆さん。この冬を一緒に乗り切りましょう!