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General Practitioner

ニュージーランドの医者の生活 General Practitioner - 私の場合

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今回は、ニュージーランドのGeneral practitioner (GP) の生活はどの様なものかを紹介します。

一般にGPと言っても、いろいろな働き方のパターンがあります。

GPクリニックが田舎にあると、救急や時間外の対応を頻繁にする必要があったり、

そのGPが興味を持つ分野により、高校のクリニックや性病/避妊を扱うクリニックなど特殊なクリニックで週のうち何時間かを働くという仕事の仕方をする人もいます。

 

私は、夫が仕事の関係で毎日の子育てにあまり貢献できないので、娘の生活に合わせた時間帯で仕事をしています。

日本に比べれば、ニュージーランドは時間的に自由度が高く、自分の働きたい時間を病院やクリニックと掛け合い、変更することができます。

これは特に子供を持つ女性医師にはありがたいことです。

 

ニュージーランドでは、子供が起きる前に家を出て、子供が寝てから帰ってくるお父さん達というのは、日本よりは少ないです。ただ低賃金で働いている肉体労働者の方達からはそういうことが聞きますが。

それでも週末は、家族と過ごす時間はある程度取れるのが一般的です。



私の働くクリニックは10-12人ほどのGPが働いています。

この中には、週に1日しかクリニックで働かない医師から、週に4日以上働く医師まで様々です。

私はクリニックで毎日働いていますが、朝は8時半から仕事を始め、午後は普段は娘の学校の終わる3時までにはペーパーワークも含めて、ほとんどの仕事が終わる様にしています。(そのため午後に診察する患者さんの数は少なくしています。)

同僚のなかには、朝の7時半から、昼休みを挟み5時頃まで働くGPもいます。

夕方5時にはクリニックの予約のリストは終わるので、9-5時の仕事をしている患者さんは、仕事を休む必要があります。

日本の様に5時以降の外来があれば、患者さんの立場からするとありがたいと思うのですが、勿論GP達も5時以降は家に帰りたいので、うちのクリニックでは実現化していません。(多分、5時以降や土曜日に予約外来をしているクリニックもあると思います。)

うちのクリニックは土日は休みですが、同じ町の救急クリニックの時間外のオンコールや週末の外来当番が其々3ヶ月に1回ほどまわってきます。



私の典型的な日

では、私の1日がどのようなものか紹介します。

クリニックは私の家から15分ほど車で行ったところにあります。

朝は8時過ぎに家を出て、娘を学校の近くへ降ろし、クリニックへ向かいます。

Huudle

2年ほど前までは、すべてのGPが大体7時半から9時頃の間で、自分の都合のいい時間に診療を始める形だったのですが、現在は8時半からの15分間からはHuddleと呼ばれるミーティングをします。

(Huddleとは、スポーツのチームが円陣を組んで試合前や試合中に短いミーティングをする、これです。↓)

Huddleでは、すべてのGPと看護婦さん、事務の代表の人が集まって、誰が休みを取っているか、それをカバーするのは誰かとか、ワクチンの在庫がないとか、子宮頸癌の検診率が目標に達するのにあと何例必要だとか、その日の診療に関したことが簡潔に話し合われます。

その後、チームを組んでいるGPと看護婦間で、その日の予約リストの患者に目を通し、健診や予防接種などがなされるものがなされているかとか、その他フォローアップしないといけない患者さんについて話し合いをしたりします。

GP triage

Huddleが終わったあと、GP triageと言われる当日予約を入れような患者に対する、電話での問診のようなものが行われます。

これは2018からの始まった新しい試みです。

できるだけ、外来診察をしないで済ませられる患者は、電話で解決し、外来の混雑を緩和しようという目的です。

Triage トリアージュとは”患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと”ということですが、ここでは電話で患者さんの問題をきいて、その日に予約を入れるべきか、後日で大丈夫か、それともGPに来なくても良さそうかなどの決定をします。

もちろんGPが(これはただの風邪だから来なくてもいいだろう)と思っても、患者さんがとても心配していて、医者による診療を希望し、GPが話をしても患者の心配が収まらないなら、患者さんの希望を尊重し、診察の予約を入れます。

例えば、頻繁に尿路感染を起こす患者さんで、症状が明らかに尿路感染であれば、電話で話をした後、薬局に処方箋を送り、患者さんは外来にくることなく抗生物質を始めると言うこともあります。

その場合は、もしも症状が改善しなければ、外来診察を改めて予約するか、少なくとも尿検査を行うなどのフォローアップが行われることが前提です。

診察スケジュール

以下が患者さんの診察のスケジュールの例です。一人の患者さんの診察時間は15分です。日本の”3分診療”に較べると、かなり長いのですが、15分で終わらせられない事が多いです。あまり予定より遅れないように、途中に”休憩”や”調整”時間が入っています。残念ながら、ゆっくりお茶を飲んで休憩できる事はほとんどありません。

(診療時間のことは、また別の記事でカバーします。)

8:30 Huddle
8:45 GP triage
9:00 患者 A
9:30 患者 B
9:45 患者 C
10:00 患者 D
10:15 お茶
10:30 患者 E
10:45 患者 F
11:00 患者 G
11:15 調整時間
11:30 患者 H
11:45 患者 I
12:00 昼食
13:00 患者 J
13:15 患者 K
13:30 患者 L

午後の診療が短いので、私が1日に診る患者さんは12−13人程度です。一つの診察の枠(15分)に、同じ家族の子供が2人とか入ることもあります。(例えば、2人とも風邪をひいているので、医者に診てもらいたいとかいうケースです。)

朝早くから夕方5時頃まで診察している同僚は、25人/日程度の患者さんを診ます。



ペーパーワーク(と言っても、大半はコンピューターのデータですが)

昼ごはんの時間も、私はコンピューターの前で、検査結果のチェックや病院への紹介状を書いたりして過ごします。

理想的には、休み時間には完全に仕事から離れて休憩や食事をするべきなのでしょうが、残った仕事を家ではしたくないので。

午後の最後の患者さんを診た後は、娘が学校からクリニックまで歩いて到着するのを待ちながら、ペーパーワークの続きをします。

クリニックで終わらせられなかったペーパーワークは、自宅からクリニックのサーバーにアクセスして、終わらせる事が可能です。

私はできるだけ自宅で仕事をしたくないので、休み時間を取らずクリニックにいる間にやっていますが、もちろん7時半から5時まで患者さんを診る同僚は、ペーパーワークは診療後に主に自宅でやることになります。

子供達をベッドに送った後に、夜中まで検査結果をのレポートをチェックしたり、紹介状を書いたりするのも日常のことらしいです。

まとめ

ニュージーランドのGPでも長時間勤務をする人はいますが、一般的には、ニュージーランドの方が日本よりも時間の自由がきくと思います。

それは、働く女性にはとてもありがたいことです。

医療や診療収入のシステムは、日本とニュージーランドでかなり違います。

この辺りを理解すると、日本とニュージーランドでの外来診療時間の違いなどを理解しやすいと思います。

システムの違いについてはまた別の記事でカバーします。

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